この記事では、日本の税務署に事業者登録を行う際の手続きについて解説します。
必要書類と手続きの流れ
個人事業主の場合
必要書類
- 決算月を記載した書類(税務署から送付された控え)
- 個人事業の開業・廃業届出書
- 源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書
- 給与支払事務所等の開設・移転・廃止届出書
- 所得税の青色申告承認申請書
- 青色事業専従者給与に関する届出・変更届出書
法人事業者の場合
必要書類
- 法人番号
- 事業年度
- 消費税の新設法人に該当することとなった事業年度開始の日
- 届出年月日
- 税務署名
- 本店所在地
- 納税地
- 法人名
- 代表者氏名・住所
- 設立年月日
- 設立時の資本金または出資金の額
- 事業の目的
- 支店・出張所・工場等の有無
- 設立の形態
- 事業開始(見込み)年月日
- 給与支払事務所等の開設届出書の提出有無
- 定款等の写し
- 株主構成等に関する書類(場合により必要)
- 被保険者資格取得届(従業員がいる場合)
- 国民年金3号被保険者資格取得届
その他特定業種ごとによる登録が必要なケースもあります
例えば…建設業特有の登録
建設キャリアアップシステム
建設業では、「建設キャリアアップシステム」への登録が必要です。 建設業許可の有無によって、必要書類が異なります。
建設業許可がある場合(法人・個人事業主・一人親方)
以下のいずれか1点を提出します。
- 法人税確定申告書(受付印があるもの)
- 法人事業税納税証明書
- 履歴事項全部証明書
建設業許可がない個人事業主・一人親方の場合
以下のいずれか1点を提出します。
- 所得税確定申告書(受付印があるもの)
- 個人事業税納税証明書
- 個人事業の開業届出書(受付印があるもの)
加入社会保険等証明書類
- 健康保険・厚生年金保険加入証明書
というように、業種で特別な登録が必要なケースもあります。
オンライン登録の方法
個人事業主の場合
個人事業主は、e-Taxを利用して必要書類をオンラインで提出することができます。 e-Taxでは、「開業の届出」と「廃業の届出」の2種類の手続きが可能です。
利用者識別番号の取得方法
利用者識別番号を取得するには、以下のいずれかの方法があります。
- マイナンバーカードを使用してWebからアカウントを登録する
- Webから利用者識別番号を取得する
- マイナポータルの「外部サイトとの連携」機能からe-Taxを利用する
- WebからID・パスワード方式の届出を作成・送信する
- 税務署へ行き、ID・パスワード方式の届出を作成・送信する
- 書面で利用者識別番号を取得する
- 税理士に依頼し、利用者識別番号を取得する
それぞれの方法のメリット・デメリット
- マイナンバーカード方式: 手続きがスムーズだが、マイナンバーカードの取得が必要。
- Webからの利用者識別番号取得: 比較的簡単だが、手続きに時間がかかる場合がある。
- マイナポータル連携: マイナポータルを利用している場合は便利だが、利用していない場合は手間がかかる。
- ID・パスワード方式: セキュリティ面で不安がある。
- 税務署での手続き: 直接説明を受けられるが、税務署へ行く必要がある。
- 書面での取得: 郵送の手間がかかる。
- 税理士への依頼: 費用がかかるが、手続きを任せられる。
法人事業者の場合
法人事業者は、e-Taxを利用して必要書類をオンラインで提出することができます。
オンライン登録方法
- e-Taxのホームページにアクセスする。
- 専用ソフトの利用登録書、税務署から送付されたID・パスワード、法人代表者のマイナンバーカード、法人代表者のマイナンバーカード暗証番号、事前に取得した電子証明書、事前に登録した暗証番号を用意する。
- 代表者のマイナンバーカードを用いて、e-Taxの利用を登録する。
- e-Taxの利用を登録後、代表者のマイナンバーカードを用いてログインする。
- ログイン後、画面の指示に従って、必要書類を登録する。
登録完了までの期間
登録完了までの期間は、登録申請書の提出状況や記載内容、申請書の提出時期などによって異なります。
提出方法 | 見込み期間 |
---|---|
オンライン | 約2週間 |
郵送 | 約3週間 |
申請書に記載漏れや誤りがある場合、内容の確認などに時間がかかり、通常よりも時間がかかる場合があります。
登録後に必要な手続き
事業者登録が完了した後も、必要に応じて、いくつかの手続きが必要となる場合があります。
- 事業内容に変更があった場合は、「適格請求書発行事業者登録簿の登載事項変更手続」を行う必要があります。
- インボイス制度では、適格請求書発行事業者が発行する適格請求書でなければ、原則として消費税の仕入税額控除ができなくなります。
- e-Taxを利用する場合は、登録申請手続きや、補助金申請のための新規申請・手続きフローなどがあります。
結論
日本の税務署に事業者登録を行うには、事業の種類や登録方法によって、必要書類や手続きの流れが異なります。
個人事業主の場合: 開業届出書、青色申告承認申請書など、税務に関する書類を準備する必要があります。e-Taxを利用する場合は、利用者識別番号の取得が必須です。
法人事業者の場合: 法人設立届出書、定款の写しなど、法人に関する書類を準備する必要があります。e-Taxを利用する場合は、電子証明書の取得など、事前準備が必要です。
事前に必要な情報を収集し、適切な手続きを行うようにしましょう。 不明な点がある場合は、税務署に問い合わせるか、税理士などの専門家に相談することをお勧めします。
事業者登録は、事業を合法的に行うための重要な手続きです。 適切な登録を行うことで、税務上の優遇措置を受けられたり、事業の信頼性を高めることができます。